ボカロとは違う?豊富な声色を扱えるフリー歌声合成ソフト・UTAU|重音テト編
どうも皆様、黒猫でございます。
「ボーカロイドをもっと知ろう①「初音ミク」って何?」での初音ミクに始まり、
「ボーカロイドをもっと知ろう②「鏡音リン・レン」」では男女ワンセットの鏡音リン&レン、
「ボーカロイドをもっと知ろう③「巡音ルカ」」ではうって変わって大人なボカロ巡音ルカ、
そして前回「ボーカロイドをもっと知ろう④「MEIKO&KAITO」」ではミク以前に発売されていたMEIKOとKAITOについてご紹介させて頂きました。
そこで今回はVOCALOID・・・ではなく、UTAUというボカロとは違う歌声合成ソフト、及びその代表格でもある重音テトについてご紹介させて頂きたいと思います。
- UTAUとは一体何なのだ?
- UTAU誕生のきっかけ
- 始まりはガセネタ!?嘘から生まれた重音テト
- 重音テトの声のベースは小山乃舞世さん
- まとめ
UTAUとは一体何なのだ?
正式名称は「歌声合成ツールUTAU」といいます。
UTAUとは、ニコニコ動画で主に「飴屋P」と呼ばれている飴屋/菖蒲(あめや あやめ)氏によって作られた、実質フリーの歌声合成ソフトです。
人力VOCALOID支援ツール(WAVEファイルの切り貼りツール)を基にして作られたそうです。
ちなみに人力VOCALOIDというのは、アニメやゲームのキャラクターの声を使ってVOCALOIDのように歌わせたものです。
流行った時期や人気・また元々歌っている音声がある事からか、アイドルマスターのキャラクターの声を使った作品が多めですね。
UTAU誕生のきっかけ
UTAU誕生に深く関わっているのが、ニコニコ動画にて自作のラップを投稿するなどの活動を行っていた、LOLI.COM(ロリコム)氏、そして上記の飴屋/菖蒲 氏です。
LOLI.COM 氏は、自身の声を使用した人力VOCALOIDを作成し「炉利音コム」という名前で公開しており、UTAU生みの親である飴屋/菖蒲 氏も、この炉利音コムを使って動画投稿を行っていました。
しかし、人力VOCALOIDはとにかく扱いが難しく、素人が「ちょっとやってみようかなぁ」なんて軽い気持ちで手を出せるほど手軽なものではありませんでした。
そんな人力VOCALOIDの作成を簡単に行えるようにする為に、飴屋/菖蒲 氏によって作られた人力VOCALOID支援ツールこそが、歌声合成ツール「UTAU」なのです。
ちなみに簡単に行えるように~とありますが、それでもやっぱり人力VOCALOIDは難しいです・・・
なお、この「人力VOCALOID支援ツール」という名称は、2008年6月に「人力VOCALOIDは人の手作業で膨大な時間を掛けて作成されたものであり、機械の力を利用し簡単に作成するのは方向性が違う為、人力VOCALOID支援ツールという名称を辞退する」という、作者である飴屋/菖蒲 氏の発言によりUTAUは歌声合成ツールという名称になったようです。
始まりはガセネタ!?嘘から生まれた重音テト
さて、ここからはUTAUの代表格とも言える、「重音テト」についてですね。
実は重音テトは、UTAUの音声に合わせて作られたキャラクター・・・というわけでは無いのです。
VOCALOIDが注目を浴びて、多くの動画が投稿されたニコニコ初期・・・丁度重音テトが生み出される少し前までは、初音ミクから始まったキャラクター・ボーカル・シリーズは第2弾の鏡音リン・レンまでしか出ておらず、第3弾の巡音ルカについてはまだ詳細な情報が出ていない状態でした。
そんなニコニコ初期の2008年の3月30日、VIP板利用者が「エイプリルフールに偽物のボカロ作ってボカロユーザー騙そうぜ!」という旨の企画を提案し、面白がった他の利用者が手を貸しエイプリルフールまでのたった2日間で「重音テト」という名前・イラスト・プロフィールや偽サイト等を作り出し、更には当時中学生だった後述の小山乃舞世さんの声を使用しご丁寧にデモソングまで用意したのです。
そう、このガセネタこそが重音テト誕生の理由だったのです。
そしてエイプリルフール当日、ガセネタに釣られたボカロユーザーを嘲笑するページが公開され、更にその数日後にはネタバラシをする動画がニコニコに投稿されるなど、完全にVIP板利用者のおもちゃにされていたのですが、その後すぐに流れが変わります。
丁度同じ時期に上記の歌声合成ツールUTAUが作られており、VIP板利用者の間で「重音テトこのまま使えるんじゃね?」という声が上がり、エイプリルフール用に用意したデモソングなどを再利用しようという計画が進められる事になりました。
そしてしっかりとしたUTAUの音声ライブラリが作成され、今の重音テトが誕生したというわけですね。
またこの様な経緯で生まれた重音テトが、UTAUに使用された事で、UTAUが注目されるきっかけの一つになったようです。
ちなみに重音テトを始め、UTAUのキャラクターのプロフィールはその大半がメチャクチャなのですが、これは重音テト誕生のきっかけとなったVIP板利用者達が企画立案を行っていたスレッドがいわゆる安価スレであり、プロフィールもアンカーを利用し無作為に選ばれた為なんですね。
ちなみに重音テトのプロフィールは基本的な部分を挙げただけでも
元の名前:重音テトペッテンソン
CV:小山乃舞世
性別:キメラ
誕生日:4月1日
身長:159.5cm
体重:47kg
BWH:73/54/88
年齢:31歳
といった具合に、ちょっとおかしなところがあります。
より詳しいテトのプロフィールを知りたい方は、「重音テト・オフィシャルサイト」へ行くと見る事が出来ますので、ぜひ見てみてください!
もっとエライ事になってますので・・・
重音テトの声のベースは小山乃舞世さん
重音テトの声は上記の小山乃舞世(おやまの まよ)さんです。
小山乃さんは声優などの役者・・・というわけではなく、ネットで絵師や歌い手として活動し、動画投稿などを行っている一般人です。
ちなみに上記のVIP板を利用しているVIPPERです。
テトの偽デモソングが作られた2008年3月の段階では中学生でしたが、現在は成人しています。
名前として使用している小山乃舞世は、テトの設定が作られたスレの設定上では「おやま のぶよ」という読み方だったようですが、小山乃さん本人が「読み方は何でもいいと思う」と言っていたようです。
現在は「おやまの まよ」で固定になっているようですね。
小山乃さん本人はテトの声について「地声とは全くと言っていい程似てないし、自分が歌ってる!とは思っていない」と発言しているようで、テトの声はあくまで「UTAUの重音テトのキャラクターボイス」である事を強調しているようです。
これはファンがテトの声を小山乃舞世さん本人の地声だと思い込んだり、テトとの声質の違いにガッカリしたりする事がないよう「重音テトのキャラクターボイス」と「小山乃舞世本人の地声」の違いを明確にしておきたいという意図があるようです。
ちなみに初音ミクの名曲「ブラック★ロックシューター」をテトっぽい声でメインボーカル、地声でコーラスを歌っていたりします。
歌だけでなくセリフ素材も収録したりしているようで、テトが「お兄ちゃん大好き」などと囁いてくる短編動画もあるのだとか。
タイトルは「年上の妹」。
・・・まあテトさんじゅういっさいだからね。
しかたないね。
そんな小山乃舞世さんですが、ぶっちゃけ歌ってる時の声は割とテトさんなので、是非聴き比べてみてください↓
テトと小山乃さんの声を聞き分けるならこの「命短し恋せよ乙女」という曲。
聴き比べてみるとやっぱり小山乃さんの声なんだなぁと思える程そっくりな箇所がチラホラあるので、2画面&イヤホン(ヘッドホン)で聴くのをオススメします。
命短し恋せよ乙女 (作曲者:デスおはぎ(松任谷P) 氏) 重音テト ver.
命短し恋せよ乙女 (作曲者:デスおはぎ(松任谷P) 氏) 小山乃舞世 ver.
まとめ
いかがでしたでしょうか?
UTAUはVOCALOID・特に初音ミクと比べると、フリーソフトである事からかメディアへの露出が少なく、長らく「初音ミクは分かるけど重音テトってのは知らない」なんて事がよくありました。
しかしVOCALOID同様ネットで少しずつ話題になるようになり、ミク達のように多くの曲が作られるまでになりました。
また、今回ご紹介させていただいたテトは、VOCALOIDのリズムゲーム「project DIVA」シリーズにモジュールとして登場しており、テトを使ったエディット動画がニコニコやYouTubeに上げられるなど、その活動規模はミク達にも引けを取らない程の存在になっています。
もちろんテトの他にもまだまだ多くのUTAUが存在していますので、自分好みのUTAUを探してみてはいかがでしょうか?
黒猫
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他にもアニメやTRPG(主にクトゥルフ)の話題もイケますので遠慮無くお声掛け下さい。
大体一般レジ付近で作業してますのでお気軽にどうぞ(≧ω≦)
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